自動車用語集

アルファベット

ATTESA(advanced total traction engineering system for all)

ニッサンのビスカスカップリング付センターデフを備えた4WDシステムの名称。ベベルギヤ式のセンターデフにビスカスカップリングを並列にセットし、前後輪に50:50のトルク配分を行うもの。いずれかのホイールが空転した場合にはビスカスカップリングが差動を制限する。1987年のブルーバードに最初に採用された。

ATTESA E-TS(advanced total traction engineering system for all electronic-torque split)

電子制御の湿式多板クラッチによって前後輪の駆動力配分を行うニッサンの4WDシステムの呼称。FRベースの後輪駆動を基本とし、必要に応じて前後50:50までの駆動力配分を電子制御によって行うもの。4輪に設けられた速度センサーと前後、左右方向のGセンサーから得られた信号によって駆動、制動、旋回のそれぞれのクルマの状態に最も適した駆動力の配分をコンピューターが判断し、油圧制御でクラッチの伝達トルクを変える仕組みになっている。1989年にスカイライン用として登場した。

AAS(auto adjusting suspension)

1987年にカペラに採用されたサスペンションで、ショックアブソーバーの減衰力をソフト、ハード、ベリーハードの3段階にコントロールできるようにし、手動スイッチと電子制御によって前後のショックアブソーバーの減衰力の組み合わせを選び、9種類の走行モードが選択可能なもの。

ASR(anti‐slip regulator)

スバルのトラクションコントロール・システムの名称。4輪のホイールスピンを検出し、コントロールユニットが走行状態に合わせてエンジン出力を制御するもの。

ASR(acceleration skid control)

ベンツのトラクションコントロール・システムの名称。エンジンのスロットルとブレーキを制御して加速時の駆動輪のスキッドを抑えるのが特徴。

ASC(automatic stability control)

BMWのトラクションコントロール・システムの商品名。スロットルバルブと点火時期の制御及び燃料カットを併用するもの。

ALR(automatic locking retractor)

シートベルトの取り巻き装置で、ウェビングを引き出して装着すると身体にフィットした位置でロックされ、それ以上引き出せないようになっているもの。主として腰ベルト用として使用される。

ACIS(acoustic control induction system)

トヨタの可変吸気システムの一つ。吸気脈動を吸気管の気柱振動、すなわち音としてとらえ、吸気管の長さを変えると音の共鳴する周波数が変わることを利用して、エンジンの広い回転数範囲にわたって吸気脈動効果を得るもの。吸気管の長さの変更にはインテークマニホールドに隣接してサージタンクを設け、このタンクへの通路を開閉する方法や、サージタンクを分割し、制御バルブの開閉によって有効に働く吸気管の長さを変える方法、あるいは吸気管にバイパスを設け、中低速回転域では制御バルブによってこれを閉じる方法がとられている。アコースティックとは音波のあるいは音響によるという意味。

AT誤操作防止対策

AT車の普及に伴って始動時の急発進やドライバーは前進するつもりなのにバックするなどAT車に特有の事故が目立つようになり、自動車メーカーはシフトロックシステムやレバーをR(後退位置)に入れると電子音が鳴るようにするなどの安全装置や警報装置を取り付けるようになった。これらの装置(ハード)や、誤った操作をしないようにドライバーに徹底するソフトを総称していう。

AT車

変速装置としてAT(自動変速機)を備えたクルマのこと。

ADS(adaptive damper system)

メルセデス・ベンツ(W140)に採用されている電子制御可変減衰力ダンパーの名称。

ADコンバーター

AD変換を行う装置。コンバーターは変換機のこと。

AD変換

Aはアナログ、Dはディジタルを意味し、各種センサーのアナログ信号をコンピューターで処理するためにディジタル信号に変えること。変換を行う装置をADコンバーターという。

A/R(エーバイアール)

ターボチャージャーでタービンハウジングの排気の入り口の最も狭い部分の面積をA、タービンシャフトの中心から排出口の中心までの距離をRとして、AをRで割った値。この値が小さいとレスポンスは良いが最高出力の低いエンジンとなり、逆に大きいと回転が低い時ターボ圧は上がりにくいが高速回転時の出力の大きいエンジンとなる。

A/F(エーバイエフ)

空燃比。Aはエア(空気)、Fはフューエル(燃料)のことで、エンジンに吸入される混合気の成分の中の空気の重量を燃料の重量で割った値。

APIサービス分類(API service classification)

API(米国石油協会)が制定しているエンジンオイルとギヤオイルの分類で、用途や過酷度などサービス条件によって分けられたもの。エンジンオイルはガソリンエンジン用がSA〜SEの5種類、ディーゼルエンジン用がCA〜CDの4種類、ギヤオイルがGL‐1〜GL‐6の6種類に分類されている。なお、この分類は1947年に制定され、何か以下の改定を経て1956年に上記の分類に再編成された。

Aポスト(A‐post、A‐pillar)

フロントピラーのこと。Aピラーともいう。

 

 

BHP(brake horsepower)

エンジンから出力される動力のことで、軸出力、正味出力とも呼ばれ、エンジンの燃焼室の指圧線図から求められた出力からエンジン内部の摩擦損失を引いたもの。

 

 

CAFÉ(corporate average fuel economy)

アメリカで使用されているメーカー平均燃費。Cはコーポレートで自動車会社を意味し、メーカーが製造する各種のクルマの燃費を平均した数値。アメリカにはガスガズラー(ガソリンを食う大型車)が大量に作られないよう、メーカー単位で自動車の平均燃費に規制値が設けられており、毎年(モデルイヤーごと)販売台数をもとに定められた方法によって平均燃費が計算され、規制値をクリアしないとマーカーに罰金が科せられる。

CIエンジン(compression ignition engine)

圧縮点火のエンジンのこと。コンプレッション・イグニッションの頭文字をとったもので、花火点火エンジンのSIエンジンと対比して使われる用語。

CAM(computer aided manufacturing)

コンピューターを活用して工業製品の製造する技術あるいは手法のこと。

CAD(computer aided design)

コンピューターをフルに利用した機械や部品などの設計のこと。

CNG自動車(compressed natural gas automobile)

ボンベに入れた天然ガスを燃料として走行する自動車。欧米では実用化されており、ガソリンに比較して炭酸ガスの排出量が少ないが、35?ボンベ2本で約200qの走行と比較的走行距離が短く、あまり普及していない。CNGは圧縮天然ガスのこと。

CFRエンジン(cooperative fuel research engine)

オクタン価測定用の単気筒エンジンで、圧縮比を変えられるようになっており、正標準燃料と比較して試料ガソリンのオクタン価が決められる。得られたオクタン価を実験室オクタン価という。

CFI(central fuel injection)

フォード車のシングルポイント・インジェクション(SPI)の呼称。

CLCC(closed loop carbureter control)

GMのキャブレター式エンジンの排気浄化システムで、酸素センサーからの酸素濃度信号を利用し、電子制御によって空燃比をコントロールするもの。同じ原理を利用するフォードのシステムはFB(feed back)キャブレターと呼ばれる。

CO(carbon mono oxide)

一酸化炭素。酸素が足りない状態で燃料が燃えたときに発生する無色無臭の気体で、ガソリンエンジンでは空燃比がほぼ16以上と、計算上燃料が完全に燃焼する理論空燃比より大きく、空気が充分にあれば排気中にCOはなく、16以下になると急激に増加する。血液中に含まれるヘモグロビン(肺から組織に酸素を運び、組織から肺に炭酸ガス(二酸化炭素)を運ぶ働きをする)と統合し一酸化炭素ヘモグロビンとなるのでこのガスを吸い込むと酸素欠乏症となる。

CDI点火(capacitive dischrge ignition)

イグニッションコイルに加える電圧はバッテリーの12ボルトを使うのが普通だが、これを電気回路で200〜500ボルトに上げて容量の大きいコンデンサーに充電し、点火時期に合わせて一次コイルに放電して二次コイルに立ち上がりの良い二次電圧を得ること。普通のコイル点火では1万分の1秒の立ち上がり時間で50万分の1秒にも早まり、正確な点火ができるのでレース用エンジンに使われている。

CD-ROM(シーディーロム)

オーディオ用として知られているCD(compact disc)を利用し、コンピューターのデータなどの情報を記録、再生する装置。コンピューターと組み合わせて画像や音声を記録したり、記録されている情報をディスプレイに表示させることができるのでナビゲーションシステムやクルマの状態に関する各種の情報の表示などに利用されている。ROMは(read only memory)読み出し専用の記録装置の頭文字をとったもの。

CVCC(compound vortex controlled combustion)

ホンダの排出ガス浄化システムを備えたガソリンエンジンの名称で複合過流調整燃焼方式の英語の頭文字をとったもの。副吸気バルブとスパークプラグを備えた副燃焼室を持つのが特徴で、副吸気バルブから吸入された着火性の良い濃い混合気に点火し、火炎噴流をトーチ孔から主燃焼室に噴出させて主吸気バルブから吸入された薄い混合気を燃やし、結果として大気汚染物質の少ない排出ガスと良好な燃費を得るもの。

 

 

DLI(distributorless ignition)

トヨタのディストリビューターレス点火装置。クランク角の位置をチェックするカムポジションセンサーによって気筒別にピストンの位置を検出し、エンジンを制御するコンピューターによって点火時期が決められ、2気筒あたり1個設けられたイグニッションコイルからスパークプラグに高圧電流が送られるようになっている。1985年のクラウンから採用が始まった。なお、イグニッションコイルが2気筒を同時に点火する(正規の点火と無駄な点火)ことから、このようなシステムは同時点火システムとも呼ばれる。

Dジェトロニック(D-jetronic)

電子制御式燃料噴射装置の一つで、[druck:圧力]と、噴射を意味する造語[jetronic]組み合わせて作られたドイツのボッシュ社の商標。インテークマニホールドの圧力を測定し、インジェクターの開弁時期と時間をコンピューターによって制御する。1967年にフォルクスワーゲンに採用された。

DUET(デュエット)-EA

ニッサンのエンジンとATを総合的に制御するシステムの名称。1988年にセフィーロに初めて採用されたもので、アクセルペダルをいっぱいに踏んだ状態で1速から2速、2速から3速にシフトアップするときの変速ショックを燃料カットによってやわらげる変速制御、減速時に燃料カットして燃費の向上を図る燃料制御などの機能を備えている。

DUET(デュエット)-SS

ニッサンの電子制御パワーステアリングとスーパーソニック・サスペンションを組み合わせてバランスさせようとするもの。ステアリング操作をステアリング舵角センサーで、ボディと路面の間の距離をクルマの先端に付けられた超音波ソナーで測定し、車速とストップランプスイッチのオン・オフと合わせてコンピューターに入力し、ショックアブソーバーの減衰力とパワーステアリングの操舵力を最適な状態にコントロールする。

 

 

EEC(electronic engine control)

フォードのエンジン電子制御システムで、点火時期とEGR及び二次空気を同時に制御するもの。1977年型リンカーン・ベルサイユに初めて装備された。翌78年モデルには空燃比フィードバックやフェイルセイフのためのバックアップ回路などを備えたEEC-Uが装着され、79年にはこれを更に改良したEEC-Vが発表された。

EAI方式(exhaust air induce)

ニッサンのエアサクション・システム。

EAT(electronic automatic transmission)

電子制御式3速オートマチック・トランスミッションで、トヨタが日本で初めて開発し、1970年にコロナに採用したAT。車速、アクセル開度とシフト位置を検出し、コンピューター制御によって油圧制御装置のソレノイドを作動させ変速を行うもので、78年まで生産された後ECTへと改良・転換された。

EHC(electronic high control)

自動車高調整装置。

EHPS(electro hydraulic power steering)

トヨタの車速感応型パワーステアリングの一つで、パワーステアリングの油圧ポンプの駆動をエンジンによらず、電動モーターで行うもの。車速センサーや舵角センサーからの信号をコントローラーが処理し、モーターの回転速度を変えることによってポンプの発生油圧がコントロールされる。

ESC(electronic skid control)

トヨタのアンチロックブレーキ・システムの名称。

ESV(experimental safety vehicle)

実験安全車。1970年アメリカ運輸省(DOT)が発表し、自動車メーカーに開発を要請したクルマで、主として乗用車の衝突安全性の追求を目的に開発され、日本からはトヨタ、ニッサン、ホンダが参加した。

EFI(electronic fuel injection)

トヨタ、ダイハツの電子制御式ガソリンインジェクションの名称で、角気筒にインジェクターのあるマルチポイントインジェクションがEFI、一つのインジェクターで噴射を行うシングルポイントインジェクションがCIと呼ばれている。

ELR(emergency locking retractor)

シートベルトの取り巻き装置で、普段はベルトを巻き取る力が弱くベルトを自由に出し入れできるが、衝突や急制動などであらかじめセットされた値以上の加速度が車に働くと、シートベルトがロックされるシステムを持つもの。加速度の感知方式としてはペンデュラム(振り子)などの機械的な動きを感知する車体感応式、ウェビング(ベルト)の急激な引き出しを感知するウェビング感応式、両者を併用する二重感応式などがある。

EL証明

EL(エレクトロ・ルミネッセンス)を使った計器盤の照明。蛍光体やその微結晶に電圧を加え発光させるもの。

EGRクーラー

EGRで、燃焼室に戻される還流ガスを冷やす装置。EGRで温度の高い排気ガスをそのまま吸気管に送ると、コントロールバルブの性能や耐久性を損なうのでエンジンの冷却水や外気によって冷却するもの。

EGR率

EGRで、燃焼室に戻される還流ガスが、排気ガス全体に対して占める割合を%であらわしてもの。排気ガス還流量/(吸入空気量+排気ガス還流量)に100を掛けて計算する。

ECI(electronic controlled injection)

三菱の電子制御式ガソリンインジェクションの名称。シングルポイントインジェクションでカルマン渦エアフロメーターを採用している。

EGI(electronic gasoline injection)

ニッサン、マツダ、スバルのガソリンインジェクションの名称。

EC-AT(electronic controlled automatic transmission)

マツダの電子制御4段オートマチック・トランスミッションの名称で、1987年にカペラに採用された。エアコノミーとパワーのモードが選択可能で、エコノミーモードではエンジン回転の低いうちに早めのシフトアップが行われ、燃費が向上する。

ECGI(electronically controlled gasoline injection)

いすずの電子制御式ガソリンインジェクションの名称。

ECT(electronic controlled transmission)

電子制御式4速オートマチック・トランスミッションで、トヨタが1981年に開発、製品化したAT。新たに加えられたロックアップクラッチのオン・オフがコンピューターによる制御バルブに切り替えによって行われ、オイルが2方向に流れることから2ウェイOD付き4速ATとも呼ばれる。

ECD(electronic controlled diesel)

トヨタの電子制御式ディーゼルエンジン。車速、エンジン回転、アクセル位置、吸気圧、吸気温、水温など各種センサーで検知し、燃料噴射時期と噴射量をコンピューターで制御する。吸気マニホールドの空気通路を大小に2分割し、エンジン回転の低い時には吸入空気量を絞って燃焼室内の燃焼圧力を下げ、振動や騒音を低くしているのが特徴。

ECT-i(electronic controlled transmission intelligent)

iはインテリジェントを略したもので、コンピューターが情報処理機能を持つという意味。トヨタのECT(電子制御式4速AT)を発展させ、TCCS(エンジン、駆動系、ブレーキなどを総合的にコントロールするシステム)によってATも含めてクルマの運行を総合的に制御するシステムのこと。

ECT-S(electronic controlled transmission‐s)

トヨタのECT(電子制御式4速AT)をスポーティー(S)な走行ができるような仕様にしたもので、1983年のカローラレビンに採用された。

ECハイマチック(electronic controlled hydraulic multiplate active traction intelligent control)

トヨタのフルタイム4WDシステムのハイマチックにマイコンを加えて電子制御化したもの。前後輪の回転数を検出するなど多くの信号によってより高度な制御が行われる。

ECPS(electronic control power steering)

三菱の電動パワーステアリングの名称。ステアリング・ギヤボックスに電磁クラッチを備えた電動モーターは配置し、車速、エンジン回転数、ギヤボックスにかかるトルクなどの信号によってコントローラーがアシスト力を決め、電磁クラッチの開閉とモーターの回転によってパワーステアリングが作動する。

ECU(electronic control unit)

エンジン、AT、ABSなどをコンピューターによって制御する電子制御装置のこと。

ETC(electronic traction control system)

ボルボのトラクションコントロール・システムの商品名。過給圧を調整してエンジンの出力を下げ、駆動輪の空転を止める。トラクションコントロール・システムは1985年にボルボ760で初めて実用化された。

EPI(electronic petrol injection)

スズキの電子制御式ガソリンインジェクションの名称。

EPAハイウェイサイクル(EPA highway cycle)

米国の環境保護庁(EPA)が燃費測定のために定めた走行パターンの一つ。

ECCS(electronic concentrated engine control system)

電子式エンジン集中制御システムの英語の頭文字をつないだ略語で、ニッサンのエンジン電子制御システム。EGRと三元触媒を使用する空燃比フィードバック制御の燃料噴射、点火時期、アイドル回転数などエンジンの総合的な制御をおこなうもの。

 

 

FRM(fiber reinforced metal)

ファイバー・レインフォースド・メタル(繊維強化金属)の略称。金属を母材(マトリックス)として各種の繊維状の強化剤を加えたもので、特に高い強度や弾性、耐熱性、耐摩耗性などを有する複合材料。マトリックスとしては鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ニッケルなどがあり、補強繊維として異なった金属、炭素、ボロン、アルミナなどの長短繊維やウィスカーが加えられる。

FRMシリンダーブロック

シリンダー内面にFRM(繊維強化金属)を用いたオールアルミ、シリンダーブロックで、ホンダが開発したもの。アルミナ繊維や炭素繊維などの強化繊維材料を円筒のシリンダーの形にし、これを金型にセットした後アルミ合金を流し込んで制作される。

FRTP(fiber reinforced thermo plastics)

ガラス繊維強化熱可塑性樹脂。熱を加えると柔らかくなる性質(熱可塑性)をもつプラスチック(樹脂)に3〜4mm以下のガラス短繊維を混入して成形し、混入しない場合に比べて引っ張り強さや弾性率を大きく、寸法安定性の良い部品を得るもの。

FRP(fiber reinforced plastics)

ファイバー・レインフォースド・プラスチック(繊維強化プラスチック)の略称。繊維で補強された高分子材料の総称だが、自動車ではガラス繊維とポリエステル樹脂やエポキシ樹脂などの熱硬化性(加熱すると硬くなる)樹脂を組み合わせた材料をいい、ボディやカバーなど様々な部品に使われている。

FRPリーフスプリング(fiber reinforced plastics leaf spring)

FRP(繊維強化プラスチック)を板ばねとして使ったもの。樹脂リーフともいう。繊維としてガラス繊維を用いた(glass FRP)や炭素繊維を用いたCFRP(carbon FRP)があり、軽くて耐久性があるが今のところ高価。

FR方式

Fはフロント、Rはリヤを意味し、エンジンを車両の前部に搭載し後輪を駆動する方式。FF方式、RR方式と対照的に使われる用語。

FIM(Federation Internationale Motocycliste)

国際モーターサイクリスト連盟の略称。国際連合傘下のユネスコに所属している国際機関で、世界各国で開催されるモーターサイクルスポーツを統括している。日本からは日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)が加盟している。

FF方式

二つのFはいずれもフロントを意味し、車両の前部にエンジンを搭載し前輪を駆動する方式。英語ではフロントホイールドライブといいFWDと略される。FR方式、RR方式と対照的に使われる用語。

FBキャブレター

フォードの排気浄化システムに使用させるキャブレターの名称。

Fヘッドエンジン

サイドバルブエンジンで、吸入バルブをシリンダーヘッドに、排気バルブをシリンダー側面に設けたもの。バルブ面積を広く出来るが動弁機構が複雑になるのが難点とされる。燃焼室の断面を横から見るとF字形になっているのでこのように名付けられた。

 

 

GI(glaenzer inboard joint)

トリポード型ユニバーザルジョイントでジョイントがスライドし伸縮するタイプのもの。

GE(glaenzer external joint)

トリポード型ユニバーサルジョイントでジョイントに左右の動きが固定されているもの。

GFRP(glass fiber reinforced plastics)

英語のガラス繊維強化プラスチックの頭文字をとったもの。ガラス繊維を樹脂に混入して補強したもので、樹脂としては、温度を上げると重合反応が起こって硬化する熱硬化性樹脂も使われるが、自動車用にはFRTP(ガラス繊維強化熱可塑性樹脂)のように温度を上げると軟らかくなる熱可塑性樹脂を使用したものが多い。

GVWR(gross vehicle weight rating)

米国の法規で定義されている車両重量で、自動車メーカーが指定する最大積載状態の車両重量をいう。

 

 

HIDヘッドランプ

高輝度放電灯。高圧水銀灯にメタルハライドを封入した構造のランプで、ハロゲンランプの2〜3倍の明るさと3倍以上の寿命を持つ。

HCU(hydraulic coupling unit)

三菱の回転ポンプに似た構造のフルタイム4WD用継手の名称。内側に三つの作動室があっておむすび形になっているハウジングの中に、周囲に10個のベーンを持つローターを置きオイルを満たした構造で、カムリングがリヤ側のプロペラシャフトにローターがフロントのトランスファーのプロペラシャフト側につながれている。前後輪に回転差が生じるとカムリングとローターとの間に回転運動がおこり、トルクの伝達が行われる。

HWFET(highway fuel economy test)

米国の環境保護庁(EPA)が燃費測定のために制定した走行パターンで、アメリカのハイウェイ走行を想定したもの。このモードで走行した時の燃費をハイウェイ燃費という。

HPR合わせガラス

厚さ0.76mmの中間膜を持つ合わせガラスで、JISで合わせガラスAと呼ばれるもの。中間膜が0.38mmと薄くJISで合わせガラスBと呼ばれる標準合わせガラスよりも衝撃強度が高い。

HPV(Honda progressive valve)

ホンダのガス封入式ダンパーに使われているバルブの名称。ピストンスピードの遅い領域では減衰力を大きくして大きい振動を抑え、微振動などピストンスピードの速い領域では減衰力を小さくしてこれを吸入するもの。

HICAS

ニッサンの車速感応式四輪操舵システムの名称。ステアリング操作によって生じる横方向の加速度をパワーステアリングのラックの軸に働く力として感知し、後輪のセミトレーリング式サスペンションのサスペンションメンバーを油圧により最大0.5度まで変位させて低速から高速まで優れたハンドリングを得るもの。1985年のスカイラインに初めて採用されて、後にHICAS-U、スーパーHICASへと発展した。

HICAS-U

ニッサンの車速感応式四輪操舵システムの名称。マルチリンク・リヤサスペンションのラテラルリンクを油圧式のパワーシリンダーによって作動するタイロッドにして後輪を操舵するもの。

 

 

IRS(independent rear suspension)

後輪独立懸架装置のこと。

IC(interrated circuit)

集積(インテグレーテッド)回路(サーキット)の略称。一つの電気回路の中にトランジスターやダイオードなどの素子を多数組み込んで作られたもので、発振、整流、増幅などの働きを行う。1個のICに数千個の素子を組み込んだものをLSI(大規模集積回路)、数ミリ角のシリコン基盤の上に十万個以上の素子が組み込まれているものを超LSIという。コンピューターの頭脳として欠かせない部品。

I-TEC(Isuzu total electronic control)

イスズ自動車のエンジン電子制御システムで、ガソリン用とディーゼル用がある。ガソリンエンジンの電子制御システムはMPI方式、熱線式空気流量計によって空気量を測定するのが特徴の一つで、空燃化、点火時期、アイドル速度などのコントロールを行う。ディーゼルエンジンの電子制御は燃料噴射やアイドル回転の他にオートクルーズ制御を行うのが特徴。

Iヘッドエンジン

吸排気バルブがシリンダーヘッドに配置されているエンジン。Lヘッドエンジン、Fヘッドエンジンなどに対して、横から見た燃焼室の断面の形が平らであることから名付けられたもの。オーバーヘッドバルブ・エンジン、略してOHVエンジンとも呼ばれる。

INTRAC(innovative traction control system)

ビスカスカップリングを利用したホンダの4WD用トラクション制御システムの名称。後車軸に使用されるごく一般的な作動装置のデフケースをビスカスカップリングのハウジングに、サイドリングと車軸をインナープレートとインナーシャフトに置き換えた構造となっており、差動、差動の制限、前輪と左右後輪へのトルク配分の三つの働きを同時に行うことができる。

INVECS(intelligent and innovative vehicle electric control system)

92年発売の三菱ギャランに採用されたファジー制御を応用した電子制御システムの名称。ファジーシフト4速AT、ファジーTCL(トラクション・コントロール)、電子制御フルタイム4WD、アクティブ4WS、アクティブプレビューECS(予知センサーを備えた空圧式アクティブサスペンション)、エアピュリファイア・ファジーエアコン(空気清浄機付きエアコン)などをまとめていうもの。

 

 

Kジェトロニック

機械式燃料噴射装置の一つで、ドイツのボッシュ社の商標。エンジンに吸入される空気量を計量板によってはかると同時にこの計量板によって機械的に燃料の制御弁を動かし、ガソリンを連続的に噴射するもの。

 

 

LRO(lateral runout)

タイヤの横振れ。

LA4モード(LA#4 mode)

LAはロサンゼルス、4はモードを決める時に出された案の4番目のものという意味で、排気ガス測定のための走行パターン(モード)の一つ。ロサンゼルスのダウンタウン(繁華街)を朝の通勤時間に走行して決められたパターンで、市内走行を中心に高速道路の走行も含まれる。

LSI(large scale integration)

大規模集積回路。

LSDオイル(limited slip differential oil)

LSDに使用される潤滑油で、極圧剤を加えたハイポイドギヤオイルにギヤのスティックスリップを防ぐ摩擦調整剤などが点火されたもの。

LNG(liquefied natural gas)

液化点火ガス。主としてメタンガスからなる天然ガスを液化して輸送し、燃料として使うもの。自動車用として使われる例は少ない。

Lジェトロニック

電子制御燃料噴射装置の一つで、(luft:空気)と、噴射を意味する造語(jetronic)をつないで作られたドイツのボッシュ社の商標。吸入空気量センサーにエアフローメーターを使い、電子制御によって燃料の噴射量をコントロールするシステム。

LTL(long taperd leaf spring)

中央部分を厚くし両端を徐々に薄くして(テーパーをつけて)あるリーフスプリング。同じ厚さのスプリングを重ねた重ね板ばねに比べて軽く、乗り心地も良い。

LPG(liquefied petroleum gas)

液化石油ガス。常温、常圧では気体のプロパンやブタンなど天然ガスからの分離や石油の精製過程で生産された燃料となるガスを加圧、冷却して液体にしたもの。自動車用としては安価だがボンベの搭載と燃料補給などのサービス性が問題点で、国内ではもっぱらタクシーなど営業車に使われている。

Lヘッドエンジン

直列系のサイドバルブエンジンで、シリンダーの片側に吸排気バルブを設けたタイプで、燃焼室が逆L字型になっているのでこのように名付けられた。L頭型とも呼ばれる。

 

 

MICS(Mitsubishi intelligent cockpit system)

三菱の運転環境自動調整システム。シートスライドをドライバーの好みの位置に合わせると、シートの高さ、リクライニング角、ルームミラー、ハンドルが人間工学データに基づいて自動的に調整される機能を中心に、乗降時のシートの移動やキーレスエントリーなどを組み合わせ、短時間にドライバーにとって最適な運転環境を作るもの。1990年に発売されたディアマンテに採用された。

MMC(metal matrix composite)

メタル・マトリックス・コンポジット(金属基複合材料)の略称。金属(メタル)を基材(マトリックス)として種々の強化材を加え、一つの金属では得られない特性や機能を持たせた複合材料。マトリックスとしては鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ニッケルなどが、強化材としては異なった金属、セラミック、炭素などが使われている。その組織から、強化材が繊維状になっているものを繊維強化金属(FRM)、粒子状になっているものを粒子強化金属という。コンポジットは合成物、混成物のこと。現在はコスト面でこうした材料の実用化は難しく、一部レーシングカーに使用されている程度である。

MCA‐JET

三菱のガソリンエンジンで、通常の吸排気バルブのほかにジェットバルブと名付けられた吸気バルブであり、吸入行程で吸気バルブと同時にこのバルブが開き空気だけが吸入されるシステム。ジェットバルブからの空気の流れによって燃焼室内に強いスワール(旋回流)ができ、燃料の気化が促進されて混合気が効率よく燃焼する。

MDエンジン(moduleted displacement engine)

三菱の可変排気量エンジン。4気筒エンジンで、コンピューター制御によりアイドリング時、減速時及び4速で70Km/h以下の低負荷運転中は2気筒のみで運転することによって、燃費を良くしようとするエンジン。

MTガー音(rattling noise)

マニュアル・トランスミッションの2速か3速のハーフスロットル(アクセルが半分以下の開度)で走行しているときに発生するガーという音。エンジンのトルク変動がトランスミッションギヤの歯打ちを誘発して起こるもの。

MTBE(methyl tertiary butyl ether)

無鉛ガソリンのオクタン価向上材の一つで、石油と天然ガスを合成して作られる。分子の中にエーテルの形で酸素を含んでおり、燃焼性が良いと同時に揮発性が良いのが特徴。

MTリム

二輪車用の深底リム(DCリム)の輪郭形状の一つ。キャストホイールやコムスターホイールに採用され、チューブレスタイヤ用として使われている。

M燃焼方式

ドイツのMAN社の開発した直接燃料噴射式ディーゼルエンジンで、燃焼室を球形にし、強いスワールを作って一つの噴射口から壁にそった方向に燃料を噴射するのが特徴。

MPG(mile per gallon)

平坦な舗装道路を一定の速度で直進した時の燃料消費率を1ガロンの燃料で何マイル走行できるかで示すもの。

MP‐T・4WD(multi plate transfer)

トランスファーに油圧多板クラッチを使用した富士重工の4WDシステムの名称。クラッチプレートを収めたドラム内のピストンに働く油圧を変えることによって、FFの状態から直結の4WDまでの適度なトルク配分が行われる。油圧はATのオイルを使用し、車速とスロットル開度によって制御される。

MVIC(Mitsubishi variable induction control)

三菱の可変吸気システム。長いインテーク・マニホールドの途中にショートカットを設け、高速回転時にはこのショートカットを利用してマニホールドの長さを短くし、吸気脈動効果を得るもの。

MVVエンジン(Mitsubishi vertical vortex)

三菱が1991年にミラージュ・ランサー用として開発した縦渦層状希薄燃焼エンジン。3バルブエンジンの吸気2バルブの内片側のポートに燃料を噴射し、吸気行程でシリンダー内に濃い混合機と薄い混合気の縦方向の渦(バーティカル・ボルテックス)を形成することが特徴。圧縮行程の後半にこの縦渦は崩壊するが、濃い混合気の部分は残っており、ここに点火して希薄燃焼を成立させるもの。

 

 

NICS(Nissan induction control system)

ニッサンの可変吸気システムの一つ。シリンダーごとに長短2本のインテーク・マニホールドを設け、低速時には長い方のマニホールドのみを、高速時には両方を使用して吸気脈動効果を得るもの。

NLR(non locking retractor)

シートベルトの取り巻き装置(リトラクター)で、ベルトのロック機構がついておらず、装着の都度ベルトを全部引き出して身体に合うように長さを調節するタイプのもの。ロック機構の付いたリトラクターにはALRとELRがある。

NDIS(Nissan direct ignition system)

ニッサンのダイレクトイグニッション・システムの名称。カムシャフトの先端にクランク角センサーを取り付けて器等別にピストンの一を検出し、エンジンを制御するコンピューターによって点火時期が決められ、各気筒ごとに設けられたイグニッションコイルからスパークプラグに高圧電流が送られるようになっている。1985年のスカイラインとブルーバードから採用が始まった。

NVH

ノイズ(騒音)、バイブレーション(振動)、ハーシュネス(路面の突起を乗り越したときなどの単発的な音を伴う振動)の英語の頭文字を並べたもの。クルマの移住性や快適性をいう場合に重視される特性項目。

NVCS(Nissan valve timing control system)

ニッサンの可変バルブタイミング・システム。高速時に吸気側のカムシャフトの位相を進め、バルブオーバラップを長くして充填効率を高めて出力の向上をはかるもの。位相を変えるメカニズムは、カムプーリーのカムシャフトへの取り付け部分を軸の回りに斜めの溝が刻まれたヘリカルギヤ(はすば歯車)とし、油圧でカムプーリー内のピストンを押して双方の相対的な回転角度を変えるようになっている。

N/V比(N/V ratio)

エンジン回転数N(rpm)と車速V(km/h)の比で、クルマがある速度で走行している時にエンジンがどれだけ回転しているかを示し、これが小さいと燃費が良いのが普通。

 

 

ODカットスイッチ

4速、5速のオーバードライブ(OD)付きのATでスポーティーな走行をしたい時などにギヤがオーバードライブに入らないようにするためのスイッチで、セレクターレバーに取り付けられているものが多い。

 

 

QOS(quick on start system)

いすずの急速グローシステムの名称。

 

 

REAPS(rotary engine anti‐pollution system)

ロータリーエンジンの排出ガス浄化装置の名称。ロータリーエンジンの排出ガスはNoxは少ないがHCが多いという特徴があるが、このHC及びCOをサーマルリアクターで燃焼させて無害にするシステム。1969年10月、マツダR100(ファミリアロータリークーペ)が米国の排出ガス規制の初めて合格した時に装備されたもの。

RSV(research safety vehicle)

研究安全車。1973年アメリカ運輸省(DOT)が発表し、自動車メーカーに開発を要請したクルマで、ESVが衝突安全性に主眼をおいているのに対して省資源、排気浄化のための手立てもあわせて開発するもの。

ROSCOシステム(rotating stratified combustion system)

マツダの2層吸気方式ロータリーエンジンで、ペリフェラルポートとサイドポートの二つの吸気ポートをもち、負荷の低い状態ではペリフェラルポートから吸入された空気に燃料を噴射して燃焼させ、高負荷になるとさらにサイドポートからも多量の空気を吸入して出力を高めるもの。

RPM(revolution per minute)

レボリューション・パー・ミニット(1分間あたりの回転数)の頭文字をとった略語。クランクシャフトの1分間あたりの回転数をいい、エンジンの出力やトルクなどをあらわす場合にその出力やトルクを発生する回転数を示すのに使われる。一般的にrpm(アールピーエム)と小文字で書かれることが多い。

 

 

SRSエアバッグシステム

シートベルト補助乗員拘束装置。シートベルトと併用されるエアバッグシステムで、ステアリングホイールに組み込まれており、センサーが衝突を感知するとエアバッグが瞬時に膨らんでドライバーの顔面を保護するもの。ドライバーがシートベルトを着用していることを前提にしていることから補助的な保護装置(SRS)と名付けられた。シートベルトとエアバッグの負担する衝撃力はほぼ半々といわれる。

SIエンジン(spark ignition engine)

火花点火エンジンのこと。英語の頭文字をとったもので、圧縮点火エンジンのCIエンジンと対比して使われる用語。

SAE粘度番号

SAE(米国自動車技術会)企画の潤滑油の分類で、エンジンオイルとギヤオイルをその粘度によって分類するもの。数字にWを付け、零℃Fの粘度(低温粘度)を規定した番号と、210零℃Fの粘度(高温粘度)を規定した数字だけからなる番号とがあり、粘度番号が大きほど粘度も高い。

SS1/4マイル加速(standing 1/4‐mile)

停止状態から発進(SS:スタンディング・スタート)して1/4マイル(402.3メートル)を走行するのに要する時間でクルマの加速性能をあらわすもの。アメリカではこの加速性能を競うドラッグレースが盛んに行われている。

SN比

Sはシグナル、Nはノイズのことで、SとNの比、即ち信号の大きさを騒音の大きさで割ったもの。オーディオ機器で雑音の大きさをあらわす量で、この数値が大きほど雑音が小さいことを示す。

SOF(soluble organic fraction)

可溶有機成分。ディーゼル・パティキュレートに含まれる各種の成分のうち、ベンゼン、トルエンなどの有機溶媒に溶けるもの。主として、カーボンスーツに付着している炭化水素で、燃料やエンジンオイルの未燃焼分が大部分を占める。

SBR(styrene butadiene rubber)

石油から得られるスチレンとブタジエンを共重合わせて得られる合成ゴム。スチレンとブタジエンの混合比率と重合の方法によって多くの種類がある。タイヤに使用される合成ゴムの中では最も使用量が多い。

S/B比(stroke‐bore ratio)

ストローク・ボア比のこと。

SV(side valve)

サイドバルブエンジンの略称。

SV比(surface volume ratio)

エンジンの燃焼室の表面積(S:サーフェス)に対する体積(V:ボリューム)の比のこと。

Sプラン・ジョイント

トリポード型ユニバーサルジョイントの一種で、3本のピン(トリポード軸)をローラーベアリングを持つキャリヤで包み、このキャリヤが軸方向に動けるように内側に3本の溝を設けたチューリップ形のハウジングで保持する構造のもの。

SUキャブレター

イギリスのスキナーユニオン社のキャブレターで可変ベンチュリー・キャブレターの代表的なもの。

SIPS(side impact protection system)

ボルボの側面衝撃吸収システムの名称。衝突時の側面からの衝撃をボディの広い範囲に分散させて吸収し、ピラーやドアなど乗員に近い部分に集中しないようにした車体構造。

 

 

TCCS(タックス:Toyota computer controlled system)

トヨタのコンピューター制御システム。トヨタのエンジン制御システムを指す場合が多いが、トヨタではエンジンだけでなく駆動、制動系も含めたクルマの総合的な制御システムの名前として商標を行っている。1980年にマークUに初めて採用され、他の機種に改良されたものが装備されている。

TRC(traction control system)

トヨタのトラクション・コントロール・システムの商品名。スロットルボディにコンピューターによって作動するサブスロットルを設け、駆動輪の空転を感知してスロットルを閉じる。必要な場合にはブレーキも作動するようになっている。

TICS(triple port induction control system)

マツダの3バルブエンジンに採用されている可変吸気システム。二つある吸気ポートの一方をメインポート、他方をスワールポートとし、通常走行時にはスワールポートのみを使って燃費の良い2バルブエンジンとして作動させ、高速走行時にはメインポートも使って高出力を得るもの。

TEL(tetra ethyl lead)

アルキル鉛の一種で4エチル鉛のこと。

TFV(tractive force variation,tangential force variation)

トラクティブ・フォース・バリエーション。タイヤのフォースバリエーションのうち前後方向の成分。

TML(tetra methy lead)

アルキル鉛の一種で4メチル鉛のこと。

TCL(traction control sysytem)

三菱のトラクションコントロール・システムの名称。エンジンの駆動力の制御によるスリップコントロール機能に加え、ハンドル角センサーによってハンドル角と操舵方向を検知し、ハンドリングに対して最適の駆動力を与えるとレースコントロールも行えることを特徴とする。TCLスイッチをオフにすることによって通常の走行も可能。

Tスロットピストン

スプリットピストンでスリットの形がT字型になっているもの。

Tタイプタイヤ

応急用タイヤの規格上の呼称。英語の[temporary use spare tire]の頭文字Tをとってこのように呼ばれる。

TDI(Toyota direct ignition system)

トヨタのダイレクト・イグニッション・システムの名称。

Tバールーフ(T-bar roof)

サンルーフの一種でルーフの中央から後ろにかけての部分を残し、運転席と助手席の上の部分を取り外せるようにしたもの。はずした後の屋根の形がT字型になることから名づけられた。

TBN(to be nominated)

後刻指名。自動車競技への参加者(エントラント)がドライバーを特定せずに参加を申し込み場合に使われる。ドライバーはレースの開催までに指名(ノミネート)されるということを意味する。耐久レースのエントリーリスト(参加者一覧表)やレースのプログラムによく見られる。

T-VIS(Toyota variable induction system)

トヨタの可変吸気システムの一つ。サージタンクとインテークバルブをつなぐ吸気管を2本に分け、片方に弁を設けて吸気管の断面積を可変にし、吸気脈動効果を有効に使って体積効率を上げるもの。

Tヘッドエンジン(T-head engine)

サイドバルブ式エンジンで、シリンダーを挟んで両側に吸気バルブと排気バルブを設けたタイプのもの。燃焼室の断面を横から見るとT字形になっているのでこのように名付けられた。T頭型とも呼ばれる。

 

 

PAN(peroxy acyl nitrate)

パーオキシ・アシル・ナイトレートの頭文字をとった略語。大気中の炭化水素と窒素酸化物が強い日光によって反応を起こして生じる刺激性の強い化学物質。

P-Air方式(pulse air induction reactor)

いすゞ自動車のエア・サクション・システム。

PS

パワーステアリングのこと。仕事率の単位の一つで仏馬力のこと。

PGM-FI(programmed fuel injection)

ホンダの電子制御式ガソリンインジェクションの名称。

PCV(positive crankcase ventilation)

ポジティブ・クランクケース・ベンチレーション。

ポジティブ・クランクケース・ベンチレーション。

100万分の1のこと。排気ガスや大気汚染物質の濃度をあらわす単位として使用されている。

PPバンパー(polypropylene bumper)

プラスティックの中で最も軽いポリプロピレンは衝撃にも強いが、これにエチレン・プロピレンゴムやエチレン・プロピレン・ジエンゴムを加えて衝撃吸収性を増したバンパー。軽量で安く、塗装も可能で、多くのクルマに採用されている。

pv線図

エンジンのシリンダー内の圧力と容積の関係を図にしてエンジンの作動状態を示したもの。

 

 

ROM(read only memory)

コンピューターの記憶装置のうち読み出し専用のもの。電源を切っても記憶内容が消えないのが特徴。クルマの各機能のコントロールに使用されているコンピューターのメモリーによく使われる。

 

 

VRIS(variable resonance induction system)

マツダの共鳴過給システムの一つ。V6エンジンの各シリンダーに向かう6本のマニホールドを3本ずつ二つのグループに分け、これらを共鳴室として働くサージタンク及び共鳴管として働くパイプでつなぎ、それぞれの間にシャッターバルブを設けた構造になっている。エンジンの回転数に応じて適宣シャッターバルブを開閉し、気柱共鳴によって吸気脈走行化を一層高めてエンジンの充填効率の向上を図るもの。

VICS(variable inertia charging system)

マツダの可変吸気システムで実質的な吸気管の長さを低速で長く、高速で短くし、吸気脈動効果を利用してエンジンの充填効率のアップを図るもの。シリンダーごとに独立しているインテークマニホールドの一部に、他のシリンダーのマニホールドとつながる連通管を設け、高回転時に全部のマニホールドの一部を2本に分け、中低回転時には片方だけを使うタイプ、中低回転時にはU字型の長い吸気ポートを使い、高速時にはこのポートがサージタンクとして働くようにしたタイプの三つのタイプがある。

VE型ポンプ

ボッシュ社の分配型燃料噴射ポンプで、ドライブシャフトによって回されるプランジャーが回転しながら往復運動をして燃料を圧送する仕組みになっており、乗用車や小型商用車のディーゼルエンジンに多く使われている。

V型エンジン

エンジンをシリンダーの配列によって分類する方法の一つで、シリンダーをクランクシャフトを中心にV字型に配置したもの。2気筒以上の複数気筒のエンジンに見られ、構造は複雑になるが直列エンジンに比較しエンジンの全長を短くできるメリットがあり、高性能エンジンに多く採用されている。

V−TCS(viscous traction control system)

ニッサンのトラクションコントロール・システムで、ビスカスLSDを使用することを特徴とするもの。スロットルコントロールの他に駆動輪の左右のブレーキを独立して制御し、LSDの効果と相まって安定した走行ができる。

VTD−4WD(variable torque delivery electronicalled 4WD)

可変トルク配分式電子制御四輪駆動。スバルのトルクスプリット式4WDの名称で、油圧多板クラッチと複合遊星歯車式センターデフを組み合わせ、前後に配分するトルクを前輪35:後輪65の不等比率とし、高速時の操縦性をスポーティーにすると同時に電子制御によって駆動力配分を変えて安定性も確保することを狙ったもの。

VTEC(variable valve timing&lift electronic system)

ホンダの可変バルブタイミング・リフト機構。4バルブDOHCエンジンの各シリンダーの吸気側と排気側にそれぞれ異なったプロファイルを持つ3個ずつのカムを置いた造りで、中央が高速専用、両脇の2個が低速専用に使われる。低速時に低速用のカムが個々に作動するロッカーアームを押し、最適なバルブタイミングとリフト量でバルブを開閉するが、高速になると油圧によって作動するピストンによって3個のロッカーアームが連結され、中央の高速用カムによってバルブタイミングが広く、リフト量も大きくなる。この結果低速時の吸気の押し戻しがなくなるなどの効果で低速トルクが増し、同時に高速性能の優れたエンジンが得られている。

VTEC-E

ホンダの吸気バルブ休止機構の名称のこと。希薄燃焼と低燃費を達成するため、4バルブエンジンの吸気側のバルブ2本のうち1本を低回転域で休止するシステム。低回転時には2本の吸気バルブは異なったプロファイルのカムで作動するロッカーアームによって別々に開閉され、一方のバルブのリフトは0.65oの休止状態、他方のバルブのみリフト8oで作動し、燃焼室に強いスワールを作る。高回転になると二つのロッカーアームが油圧ピストンによって一体となり、2本のバルブはともに8oのリフトでフルに混合気を吸入する仕組みになっている。

VVT(variable valve timing)

トヨタの可変バルブタイミング・システム。高速時に吸気側のカムシャフトの位相を進め、バルブオーバーラップを長くして出力の向上をはかるもの。

Vベルト

V字形の溝を持つプーリーをつなぎ、接触摩擦によって動力を伝える台形の断面形状を持つベルト。繊維で作られた芯をゴムで包み、まわりをゴム引きの布で覆った構造のラップベルトと芯材やゴムを重ねて作られたローエッジベルトとがある。

Vリブドベルト

V字形の断面を持つ肋材を付けたベルト。Vベルトを数本並べて一体にしたような形のベルトで、プーリーとの接触面積が広く動力の伝達能力が大きい。

 

 

WSIR(webbing sensitive inertia reel)

ウェビング感応式(シートベルト)巻き取り装置。衝突時にウェビングの引き出し速度がある値を超えるとこれを感知し、ウェビングの繰り越しをロックするようになっている。

 

 

X型フレーム

フレームをX字形に組んだもので、ねじり剛性が高いもののFR車ではクロス部分にプロペラシャフトを通すトンネルが必要で、サスペンションが取り付けにくいこともあり現在は使われていない。

X軸

自動車の運動を三次元で表し、その座標を決める必要がある時、重心点を中心にして車体を前後水平に貫く座標軸をX軸、左右水平に伸びる座標軸をY軸、上下方向の座標軸をZ軸と定義する。

 

 

Y軸

クルマの運動を三次元で記述するとき、重心点を中心とした左右方向の座標軸をいう。

Yパイプ

排気系に設けられたY型のパイプで、エキゾーストマニホールドで二つにまとめられたパイプをさらに一つにまとめるもの。V型エンジンに見られる。

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